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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
つまり、あべこべ砲というのは、たとえば、自分がピストルを敵にむけてどんと撃ったとする。するとあたりまえなら、弾丸は敵の胸板を撃ちぬくはずであるが、このとき、もし敵があべこべ砲をもっていたとすると、その弾丸は敵にあたらないで、あべこべに自分の胸にあたって死なねばならぬというのだ」
「なるほど、それであべこべ砲ですか。しかしそんなことが出来るでしょうか」
「うむ、まあ出来ないだろうという話だったが、今ここに横たおしになっている機械を見ると、かねて大利根博士がちょっと洩らした話の機械によく似ているんだ。待っていたまえ。もっとよくしらべてみよう」
そういって、塩田大尉は機械をめんみつにしらべていましたが、そのうちに大声で、
「あっ、わかった」
「えっ、わかりましたか」
「対磁力砲のあべこべ砲――と書いてある。一彦君、ここを見たまえ。機械の裏側に、博士の筆蹟で、管のうえにほりつけてある」
一彦が、のぞいてみますと、なるほど一等太い管の裏に、「対磁力砲のあべこべ砲」とほりつけてありました。
「じゃ、もう安心ですね。これがあれば怪塔王のもっている磁力砲をやっつけられますからねえ」