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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
さすがの兵曹長も、思わず悲鳴をあげました。そっと手をもっていってみると、そこの所は、餡パンをのせたように、ひどく腫れあがっていました。
「ち、畜生。よくもこんなに、ひどいめにあわせやがったな」
兵曹長は、目をぱっちりあけると、あたりをきょろきょろと眺めました。
「はて、ここはどこかしら」
あたりは、電灯一つついていない真暗な場所でありました。そしてたいへん寒くて、体ががたがたふるえるのです。
手さぐりで、そこらあたりをなでまわしてみますと、床は固く、そしてじめじめしていました。
「ははあ、これでみると、俺はとうとう怪塔王の一味のため、俘虜になって、穴倉かどこかへほうりこまれたのにちがいない。ちぇっ、ざ、残念だ。無念だ。帝国軍人が俘虜になるとは、この上もない不名誉だ。それに、憤死した青江三空曹の仇も討たないうちに、こんな目にあうとは、かえすがえすも残念だ――なんとかして、俺はここを破って、自由な体になってやるぞ」
小浜兵曹長は、ばりばり歯がみをして、奮闘をちかいました。
その時、どうしたわけか、小浜兵曹長の頭の上の方から、青い光がさっと照らしつけました。