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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
よし、それなら飛びこむのは今だと、帆村はにっこり笑い、一彦をそばへ招くと、そっと耳うちをしました。
3
帆村探偵は、階段の「最後の段」をおどりこえ、床の上にえいと飛びあがりました。そしてさっと照らしつけた手提電灯は、怪塔王のねむる寝台の上へ――
「あっ!」
帆村は思わず、足を一歩うしろにひきました。なぜって、彼は寝台の上にかかっている薄い羽蒲団の間から怪塔王の目がじっとこっちをにらんでいるのを発見したからです。はじめて見る怪塔王の顔――ああ、なんという変な顔もあったものでしょう。
帆村はピストルを怪塔王の目に狙をつけ、もし相手がうごけば、すぐさま引金をひく決心をしていました。
ところが、ごうごうごうと、どこからか、たしかに寝息らしいものが聞えてきます。
(変だな)
すると後からついてきた少年が、寝台をゆびさし、
「おじさん。怪塔王は目をあけたまま眠っているんだよ」
「ふーむ、そうかね」
ほんの僅かの話声でありましたが、それが人間ぎらいの怪塔王の耳に入ると、彼はがばと寝台から跳ねおきました。
「ああーっ、よく眠った」
と、両手をあげたところを、帆村が、