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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

と、返答をしぶりました。

「いやか。いやなら、この殺人光線灯をかけるがいいか」

と、小浜兵曹長が身がまえますと、

「ああ、あぶない。ま、待て」

「怪塔王ともいわれる人物でありながら、往生ぎわの悪い奴だなあ」

帆村探偵も横からあきれ顔でいいました。

「しかたがない。ロケット隊の指揮を、お前たちにまかそう」

怪塔王は、はきだすようにいいました。しかしそのうちにも、彼はしきりになにかを待っているらしく、耳をそばだてていました。

3

怪塔王は、とうとう帆村探偵と小浜兵曹長とに降参してしまったのです。これくらい痛快なことはありません。

「これで、俺は胸の中がはればれした」

小浜兵曹長は、鬼の首をとったようによろこびました。

帆村探偵は、また一歩前に出て、怪塔王の横腹をつつき、

「さあ怪塔王、こうなると、僕は永いあいだ貸しておいたものをいま君から貰うぞ」

「借りたものって、一体なにを借りたか」

怪塔王はふしぎそうに、帆村をにらみかえしました。

「あはははは、もう忘れたのか。外でもない、君がいま顔につけているそのマスクのことさ」

「ええっ――」

「おぼえているだろう。このまえ、僕は、君がいまつけている変なマスクを取ろうとして、君のためやっつけられたのだ。