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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
大利根博士が、いつの間に怪塔王の声色をつかうようになったのでしょうか。
博士は、いやに落着きはらって、転げまわっている帆村のそばへやってきました。
「こればかりの薄いガスをくらって、そんなたいそうな苦しみ方をするなんて、なんて弱虫なんだろう。これからの探偵は、ガスマスクぐらい、しょっちゅう持ってあるくがいいぞ」
博士は、靴の先で帆村の体を力まかせにけとばしました。なんというひどいことをする博士でありましょう。
「おい帆村探偵。こんどというこんどは、貴様を殺してしまうぞ。貴様くらい、わしの邪魔をする奴はないからなあ。いままで生かしておいたのを、ありがたくおもえ」
博士は、すっかり怪塔王になりきってしまって、腰のあたりから、銀色の筒をとりだした。どうやらこれは、形のかわった殺人光線灯らしいです。
帆村探偵はどうなりましょうか?
最大の謎
1
洞穴の内の岩礁のうえに争う大利根博士と帆村探偵! 毒ガスが黄いろいもやのように漂っているなかに、怪塔王の声を出す大利根博士は、殺人光線灯を片手に帆村探偵の姿をもとめています。
「あ、そこにいたな」
魚油灯が大きくゆらいで、岩礁のうえに腹匐いになっている帆村探偵をみつけました。