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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

地上にあった隊長機は、ついに一大音響をあげて爆発しました。そしてロケットは、一団の火の塊となり果て、その焔は、えんえんと天をこがし、すさまじい光景となりました。

この大爆発のため、小浜兵曹長は、ついに体に二つ三つ傷をうけたらしく、ひりひり痛みだしました。が、しらべてみると幸いにかすり傷ばかりでありました。どこまでもつよい武運によろこんだ兵曹長は煙の中から、すっくと立ちあがりました。

4

小浜兵曹長の無念さといったら、なににたとえようもありません。せっかく占領した怪塔ロケットがいつの間にやら兵曹長をあとにのこして、空中へとびあがってしまったのです。硝煙にむせびながら、兵曹長はいくたびとなく空中を見あげましたが、そこには、怪塔ロケットの姿がなく、ただロケットの怪奇な響だけが、ごうごうときこえます。

「なんのことだ。とうとううまく逃げられちまった。ざんねん!」

兵曹長は、痛手に屈せず、立ちあがりました。このうえは、空中へ信号をして戦友に対し、自分や帆村がこの島にいることをしらせたいとおもいました。そこで、帆村のいる丘の上へのぼるのが一番いいと思って歩きかけたとき、とつぜん、煙の中からとびだして来た一人の人物がありました。