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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
そして癪にさわる怪塔王をもう一度襲撃して、あの低い鼻にくいついてやりたいと思いました。
それを聞いていた帆村は、一彦の頭をかるくなでながら、
「だけれど、ここは一度出なおすことにしようよ。怪塔王をやっつけるためには、もっとりっぱな武器を用意してこなければ、とても退治することはできないよ。戦艦淡路があんなにやっつけられたことを考えても、それがよくわかるんだ。僕たちは、怪塔王をあまり見くびっていた。怪塔王は、僕たちの思っていたよりも二倍も三倍も、いや十倍も二十倍もおそろしい科学魔なんだよ。残念だけれど、僕ら二人の手にはとてもおえない」
と、くやしそうにいいました。
「じゃあ、これから僕たちは、ここを逃げだすの。つまんないや」
「そんなことをいっていられないのだ。さあ幸にこの扉はさっきあけたばかりだから、そこをあけて、外へとびだそう」
帆村探偵は少年をなだめながら、さっき猿の鍵であけておいた扉をさっと開きました。
二人の目には、九十九里浜が夜目にもしろくうつったことと思うでしょうが、そうではありません。扉の外には、どうしたことか、考えもしなかった土の壁が出口をぴったりふさいでいました。