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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

だがね一彦君、これは土の壁というよりも、むしろ土壌といった方が正しいのだよ」

「えっ、どじょう。どじょう――って、あの鬚のある、柳川鍋にするお魚のことだろう。なぜこの土がどじょうなの」

帆村おじさんはくすくす笑いだしました。

「土壌って、魚のどじょうのことではない。いまいった土のことを土壌というのだよ。つまり大地を掘れば、その下にあるのは土壌ってえわけさ」

「なんだ、ただの土のことか、僕は魚のどじょうのことかと思ったから、それで驚いてしまったんだよ」

「いや、君はときどき面白いことをいうね。いま君に笑わせてもらったお陰で、おじさんはたいへん気がおちついてきたよ」

と、つづいてにやにや笑い、

「そこで一彦君、もう一つ君にお礼をいわなければならないことは、いま君に土壌とはどんなものかと説明している間に、この出入口をふさいでいる土壌の謎をとくことができたよ」

帆村探偵が、この不思議な土壌は、そもそもどこから来たかという謎をといたといったものですから一彦少年は目をまるくしました。

「といたの? おじさんは謎をといたんだって。じゃあ早く教えてよ。なぜこんな土を持ってきたの」