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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

「頼みましたよ」

それからものの十分とたたないうちに、東の空から爆撃機隊の翼がみえてまいりました。両隊の無電は、しきりに連絡をはじめました。そのうちに打合わせは、すっかりすみました。

爆撃機体は二隊にわかれ、いずれも四千メートルの高度をとり、怪塔の上にしずかにすすんでいきます。

塩田大尉も、小浜兵曹長も、偵察機の上からかたずをのんで、その行動を見守っています。

そのうちに先にとんでいる爆撃機隊の編隊長機がまず機首をぐっと下げました。あとの僚機もそれにならって、順番に機首を下にしました。急降下爆撃です。

機体の胴中から、まっくろいものが五つ六つ、ぱっと放りだされました。爆弾です。

爆弾は仲よく一しょにかたまって、ぐんぐん下におちていきます。

第二番機の爆弾群が、またあとをおいかけて、ぐんぐん地上の怪塔に追っていきます。

さあどうなるのでしょう。あと数秒で、いよいよ土をふきとばし、黒煙が天にまきあがる大爆発がおこる――と思っていましたが、ところが実際は、そうなりませんでした。まことに不思議、いつまでも爆発がおこりません。

5

怪塔の中には、「怪塔王と和睦せよ」