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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
という無電をうった帆村荘六もいるはずですし、一彦少年も一しょのはずです。それにもかかわらず爆弾を怪塔の上に落すのは、まことに気のすすまないことでしたが、帝国海軍に仇をなす怪塔は、たとえ一日でも、一時間でもそのままにしておけませんから、それゆえ塩田大尉は、涙をふるって爆撃隊に爆弾を落すよう命じたのでありました。
その爆弾が、下にぐんぐんおちていったきりで、そのまま音沙汰なしになってしまったものですから、爆撃員はすっかり面くらってしまいました。
「爆弾を投下したが、爆発しない!」
と、妙な電文が、塩田大尉のところにとどきました。
「爆弾を投下したが、爆発しない――というのか。そんなばかなことがあってたまるか。なあ小浜兵曹長」
「はあ、わからんでありますな。爆弾が昼寝をしているわけでもありますまい」
爆撃機六機の落した爆弾は、ことごとく不発におわりました。一体どうしたというのでしょう。
塩田大尉は、偵察機を急降下させて、地上の様子をさぐろうと決心いたしました。
「急降下、高度百メートル附近! 南北の方向に怪塔を偵察」
そういう命令を出しますと、偵察機はただちに、獲物をめがけてとびおりる鷹のように地上めがけてまいおりていきました。