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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
「あっ、怪塔ロケットが海の中にもぐりこんだぞ」
「いや、墜落したのだ。早くあの真上までいって見よ」
どこかに飛去るかとおもわれた怪塔ロケットが、いきおいもついにおとろえたか、そのまま太平洋の波間にしずんでしまったものですから、塩田大尉以下はめんくらったかたちです。
偵察機は、海面すれすれのところまでおりて、怪塔ロケットが見えるかどうかとさがしました。しかし黒い海は、どこにロケットをのみこんでしまったか、けろりとしていました。
しかたなく塩田大尉は、全機をすこし遠方にひきはなし、海面ひろく警戒をするように命令しました。それは怪塔ロケットが、いつ波間からとび出してくるかもしれない、と思ったからでありました。
しかし怪塔ロケットは、ついにふたたび姿を見せませんでした。
そして暮れかかっていた空は、どんどん暗くなっていって、とうとうまっくらな夜になってしまいました。
こうなっては、怪塔をさがすことができません。塩田大尉はざんねんにおもいましたが、やむを得ずあとのことを、折から全速力であつまってきた駆逐艦隊にまかせ、ついにそこをひきあげることにしました。
怪塔ロケットはどこへいったのでしょうか。