轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かいきじんぞうとう

怪奇人造島

寺島 柾史

「日本少年 付録」1937(昭和12)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,159 字 · 87 页

青空文庫

遂に夜襲のときが来た。

海洋の真只中に浮んでいる人造島が、深い眠りに陥っているところを狙うのだ。

白堊の宿舎には、技術員も、雑役夫も、みんな正体もなく眠っている。外部からの襲撃をうける心配のない人造島では、歩哨も、不寝番も必要がなく、ただ、動力所だけに、機関士が交替に起きているに過ぎない。

夜半、約束の時刻に、老博士は、研究室の窓の下に佇んでいた。そして、僕の姿を見つけると、片手をあげて合図をして、そのまま、風のように動力所の方へ去った。僕も、たった一人で、格納庫焼打に往くのだ。

満天に星はきらめき、空気は水のように澄んでいる。その星の光が、水晶のような氷の肌に、微かに映えて、あたかも黒曜石のように美しかった。

海は、はろばろと涯しもなく、濃紫色にひろがっていて、何処からか、海鳥の啼音がきこえてくる。こんな静かな夜半、決死の二人が、十倍に余る敵を迎えて、これと闘い抜き、人造島を占拠しようというのだ。いや、あと数分ののち、この黒曜石のような美しい氷上が、血の海と化するであろう。このことが、とうてい想像できなかった。

格納庫の附近には、歩哨も、動哨もいはしない。