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きょうふのくちぶえ

恐怖の口笛

海野 十三

「富士」1934(昭和9)年8月号~11月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 60,713 字 · 122 页

青空文庫

蝋山教授と一郎とは、青々としたグリーンを眺められる休憩室の籐椅子に腰を下ろして、紅茶を注文した。こうして六人の同勢は三方に別れた。

大江山課長は人気のない練習場でクラブを振りながら、雁金に話しかけた。

「検事さん。今日の集りの真意はどこにあるのですかなア」と先刻から聞きたかったことを尋ねた。

「うん――」と雁金は振りかけたクラブを止めて、「儂にもよく分らぬが、これは青竜王の注文なのだ」

「えッ、青竜王の注文?」と課長はサッと青ざめた。

「彼はゲームの結果を知りたがっていた。さし当り、君の大当りなんか、何といって彼が説明するだろうかなア。はッはッはッ」

外国の名探偵が、真犯人を探し出すために、嫌疑者を一室にあつめてトランプ競技をさせ、その勝負の模様によって判定したという話を聞いたことがあるが、青竜王はそれに似たことをやるのではあるまいか。とにかく課長は憂鬱になって、俄かに球が飛ばなくなった。

「検事さん。青竜王は貴方がたにゴルフをさせて置いて、自分はこの玉川でパチノの遺族を探しているそうですが、御存知ですか」

「そうかも知れないネ」

「では青竜王の居るところを御存知なんですネ。