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よろこばしきちしき

悦しき知識

深瀬 基寛

――停年講義(昭和三十三年九月十六日)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,972 字 · 33 页

青空文庫

いるんで、La Figlia che Piange というんですが、意味は「なげく少女」という、初期の大変美しい詩があるのであります。これはまあ英語を書いてもいいけど、私の下手な訳がありますから、訳で御紹介しますと、こういう三行があります。「われのゆく道もありなん」というんです。私の行く道もどっかにあるかも知れん。「たぐいなく軽ろく」――重い反対、軽く――「巧みなる道」、非常に巧みな、非常に軽くて、非常に巧みなる道。「われらともどもにうけごうべきそこはかの道」「ほおえみのごと手を振るがごと、さりげなき、不実なる道」。先程の「不敬」―― irreverence を思い出すんですが、これが詩人の私は道だろうと思うのであります。これがですね、すでに芭蕉が日本では、奥の細道という言葉によって象徴している。それは

この道や 行く人なしに 秋の暮

この有名な文句は、これは芸術の極地を、誰も行かない道、今の

われのゆく道もありなむ、

たぐいなく軽ろく巧みなる道、

われらともどもにうけがうべきそこはかの道、

あるかないかの細道です。しかしそれが非常に大事なんです。つまり、