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せんそうろん
戦争論
「人間喜劇 第一一号」イヴニングスター社、1948(昭和23)年10月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,716 字 · 22 页
かゝる専政的禁止の性格は、又、共産主義が持っている。政争の手段として闘争を看板にする共産主義は元々が軍人的好戦思想と、専政をタテマエにしているのであるが、彼らが現に弾圧されつゝあるにも拘らず、然し、彼らほど、やがて人を弾圧する性向を潜めているものはない。個人の自由や、人間性を尊重する慎しみ深さは、その根柢に失われているのである。
元来、共産主義の如くに、理想を知って、現実を知らず、その自らの反現実性に批判精神の欠如せるものは、専政、ファッショの徒に外ならぬのである。
敗戦、この無数の焼跡、これが直ちに復旧すべきものでないのは当然で、たとえ戦争に勝ったところで、復旧に年月を要することは明かだ。誰がやっても、この復旧、建設は、困難きわまる一大難事業である。かゝる非常の際の政策的なストの如きは最も慎むべきところ、フランスでは、共産政府がストを弾圧していたではないか。
私は、だいたい、ストライキという手段は、好きではない。社会生活に於ける闘争ということを好まないのだ。闘争ほど、社会の敵なる言葉はない。
私は、資本家(国家でもよい)と労働者の利益分配が生活の最も重大なものとなっている今日、簡単の労働法規というようなもので、この重大な生活問題を社会の片隅で処理しているのが間違いだと思う。