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せんごしんじんろん

戦後新人論

坂口 安吾

「文藝春秋 第二七巻第一一号」1949(昭和24)年11月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,363 字 · 15 页

青空文庫

美というものは割りきれていなければならないが、アマチュア・スポーツの英雄というものは、まことに妖怪的なものである。

要はアマチュア・スポーツの在り方の問題で、日本に於ては、スポーツは各人がこれを行って楽しむものではなく、見物して楽しむものであるところに不健康さの元があるように思われる。

応援団などゝいうものも、原始的に好戦的なまことにダラシなく野蛮なものである。これもつまりは、自らスポーツを楽しまずに、人のプレーを楽しむ不具的な習性から出ていることだろう。

朝日新聞の文化賞では、アマチュア・スポーツに授賞せず、プロ・スポーツに授賞するのが至当だが、スポーツの授賞の標準が世界新記録ということなら、これ又、滑稽千万な標準で、記録に表現できないスポーツはどういうことになるのだろう。レスリングやボクシングはどうなのか。チェスのようなゲームはどうなのか。スポーツだけで、ほかのゲームは違うというなら、これも滑稽。チェスはとにかく、囲碁や将棋や相撲は? これらはもしも世界的に名人戦をひらけば、碁に於ける呉清源はとにかく、たいがい日本人が選手権をとるだろう。これはスポーツの新記録ほど価値がないのかな。