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しょかん

所感

夢野 久作

「新青年 第七巻第十二号」1926(大正15)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,566 字 · 7 页

青空文庫

とききますと、「ヘエ。送りました。あれは何ですか」とあまり気の乗らない尋ね方をします。「読んだのか」「ヘエ」「面白かったか」「ヘエ……何だかわかりませんけど、あんな気味のわるいことが本当にあるものでしょうか」「どうだか知らん。返送料は入れたか」「ヘエ」こうした気のない会話のうちに、私は妻の表情の中から失望に価する多くの点を見出しました。こんな方面にあまり趣味を持たない、何気もないものの受けた感じが一番公平なものだということを私は兼ねてから聞いています。しかし些くとも「あれが当選したら」位の挨拶はするだろうと予期していたのに、まるで懸賞募集に応じたものかどうかすら知らない程度の無表情さで、あとは留守中の報告に移りました。私はウンザリしました。そうしてあの一篇は単純な読み物としても落第ではないかと心配し初めました。「何故あの事実をもっと突込んで研究して見なかったろう。たとい興味は薄らいでも真実味はきっと深まったに違いなかったろうに」という後悔をその後二三度繰り返したように思います。

ところがこの一週間ばかり旅行して昨十日夜に帰って来ますと、私の机の上に森下氏のお手紙と新青年の六月増大号と、「アヤカシノゴセイコウヲシュクス○トシ○タミ○フミ○チヨ」