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しょかん

所感

夢野 久作

「新青年 第七巻第十二号」1926(大正15)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,566 字 · 7 页

青空文庫

兄さんの創作に違いない。新青年の募集に応じたらどうです」と大騒ぎをしてすすめます。妹たちはもう一等当選にきめて奢る約束までするのです。

私は考えました。もう締切りまでに間はないし、職業は三通りもあるし、とてもと思いましたが、少々勢づけられていた上に、コソコソと物を書くことが好きなので筆を執ろうとしますと、第一に能面では説明に苦しむ処や筋が面白くなくなるところがある事に気が付きました。鼓でも似たものですが、いくらか楽なのでその方にして、「焼けあとの二つの死骸」を最初に持って来て又十枚ばかり書きますと、とても骨が折れて筋が運べない上に、あとの説明が私の力ではどうしてもダラケそうに思われます。そのうちにもう頭が疲れて、坐っている足が痛くなりましたので、「何でもいい、とにかく出して見よう」という気になって、最初の思い付き通りに因縁話から書き直し初めました。

そのうちに風邪で寝たり何かして案外早く出来上りましたから、二度ばかり読み返すとすぐに妻に渡して、これを博文館のこれこれへこんな風にして出しておけと云ったまま仕事に出かけました。そうして二日経って帰って来て、妻に「出したか」