轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ピッチャーさつじんじけん

投手殺人事件

坂口 安吾

「講談倶楽部 第二巻第五号」1950(昭和25)年4月10日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,243 字 · 57 页

青空文庫

そこで大鹿の本心をきく必要があったんです」

「大鹿君の返事はどうでした」

「簡単ですよ。大鹿はほかの女と結婚する筈だと云うんです。お光には拒絶したと断言しました。今後お光から手をひくかと訊くと、ひくも、ひかないも、ほかの女と結婚するのに、お光とかかりあっていられる筈がないと云うので、話は簡単明快ですよ。ボクは安心して、すぐ、ひきあげました」

「それは何時ごろです」

「そうですね。九時ごろ訪ねたんですから、まア、二十分ぐらい話を交して、すぐ帰りましたな。新京極で祝杯をあげて、帰って寝ました」

「君は、大鹿君のところでタバコを吸いましたか」

「どうだったかな。ああ、そうだ。吸いました。灰皿かせ、と云うと、ドンブリ持ってきましたよ。奴、タバコを吸わないらしいです」

「そのドンブリは、誰かの吸いがらがはいっていましたか」

「いいえ、洗ったドンブリです。何もはいってやしません」

「ヤ、どうも、ありがとう。ああ、ちょッと。大鹿君はラッキーストライクへ移籍の話をしませんでしたか」

「いいえ、そんな話はききません。ただ金のいることがあって、お光にトレードを頼んだと云っていました。そのためにお光と会うだけで、結婚の話などはないという言い訳なんです」