轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

「読売新聞」1927(昭和2)年1月15日~6月26日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 204,697 字 · 406 页

青空文庫

「司法主任殿、之は女帯の一部らしいですよ」

「成程、君の云う通りらしいね」

司法主任はじっと布片を眺めながら、

「こっちの方は着物らしいが、色がすっかり褪せて終ってよくは分らないけれども、何か模様があるようだね」

「地もメリンスらしいじゃありませんか」

「うん、どうもそうらしい」

「そうすると」

石子刑事はいよ/\面を輝かしながら、

「服装の点が問題の死体に一致します。おい、君」

彼は人夫の方を振り向いて、

「女は模様のあるメリンスの着物に黒い繻子の帯をしめていたと云ったね」

「えゝ、そうです」

人夫はうなずいた。

「それが恰度小林貞の家出当時の服装に一致するのです」

石子は主任に向って云った。

「じゃ」

先刻から黙って石子の話を聞いていた署長は始めて少し微笑みながら、

「之に違いないのだね」

「はい」

石子は署長の方に向き直った。

「之に相違ないと思います」

「うん」

署長は満足そうに、

「白骨の寸法から見ても少女らしく思われる。宜しい、之を持って引上げよう」

署長の命令の下に昨日の老人の白骨は元の穴に埋られ、棺の中には新たに掘出した白骨が収められた。

曙光