轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

「読売新聞」1927(昭和2)年1月15日~6月26日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 204,697 字 · 406 页

青空文庫

であれば免職するもせないも庄司の心一つにあるのである。アナタは大正六年三月十九日に神楽坂署長室に於て、保証人及尽力者として立って、私とどんな約束をして居るか、まさか忘れはせまい。君も牧師なんだから、牧師なら牧師らしく約束した事を実行するのはアタリマエではないか」

最後の公判

大震災に万物一様の破壊を受けて、再生の機会を与えられた更新第一回の公判は、支倉に取って千載の一遇、この機を逸しては好機再び到ろうとは思えない。彼はこゝに最後の努力を試みる事となった。

獄に投ぜられてより数年冤罪を叫び通し、殊に最近二、三年は公判廷にあってすら咆哮し怒号し、審理の進行を極力妨害した。その有様の猛烈、凄惨を極めた事は当時目撃した人を尽く顫え上らしたものである。神戸牧師をして、

「彼は被告として公判廷に出ずる度に猛烈な兇暴態度を示しながら、且つ其雄弁と剛腹とは全法廷を慴伏していた」

と嗟嘆せしめた程である。

或人は疑った、彼は既に狂せるのではないかと。彼が一旦はふり落ちる涙と共に自白した事を翻えしてから後は、遂に自ら深く罪を犯さゞるものと信じて、偏に周囲の強うる所として憤り悲しんだ点は、一種の強迫観念に基くものかも知れぬ。