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かいぜんはあたまから

改善は頭から

丘 浅次郎

「活人」1926(大正15)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,833 字 · 8 页

青空文庫

四

掲げられるにいたった。明治八、九年の頃に死んだ人は、大学生が何百人も揃うて、八幡様に総長の病気全快を祈ったり、市の助役が、雨乞いのために水天宮に日参したりするような世の中が半世紀の後に来ようとは夢にも思わなかったであろう。

四

私の考えを率直にいえば、生活の改善にはまず頭から改めてかからねばならぬ。文化生活などというても頭が改まらなければ、単に猿の人真似であって、しばらくすれば、また旧のとおりになる。しかして頭を改めるには、まず、思い切って、馬鹿げた迷信を捨ててみせることが必要である。十人十色というて、いつの世にも、一人一人で考えが違い、早く開ける人もあり、晩くまで開けぬ人もあるから、他人の思惑を気遣うていては、いつまで待っても、改善の時期は来ない。多少機嫌を損ずる人があっても、それに構わずに断行するので、初めて、改善もできるのである。明治の初年にチョン髷を切り落したときにも、反対した人はあったろう。帯刀を廃したときにも憤慨した人はあったろう。初めて役所で椅子テーブルを用いたときにも、腰が冷えるとか何とか不平をいうた者があったに違いない。かような連中を眼中に置かずに思い切って断行したので、文明を進めることができたのである。