轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ほうろう
放浪
織田 作之助
「文學界 第七年第五号」文藝春秋、1940(昭和15)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,614 字 · 47 页
絶対にインチキとは違うよ、一見胸がときめいてなどと中腰になってわざと何かを怖れるようなそわ/\した態度で早口に喋り立て、仁が寄って来ると、先ず金を出すのがサクラの順平だった。絵心のある北田は画をひきうつして売ることもある。そんな時はその代り、その筋の眼は一層きびしい。サクラの順平もしば/\危い橋を渡る想いに冷やっとしたが、それだけにまるで凶器の世界にはいった様な気持で歩き振りも違って来た。
気の変り易い北田は売屋をやることもあった。天満京阪裏の古着屋で一円二十銭出して大阪××新聞の法被を仕込み、売るものはサンデー毎日や週刊朝日の月おくれ、または大阪パックの表紙の発行日を紙ペーパーでこすり消したもの、三冊十五銭で如何にも安いと郊外の住宅を戸別訪問して泣きたんで売り歩く。かと思うと、キング、講談倶楽部、富士、主婦の友、講談雑誌の月遅れ新本五冊とりまぜて五十銭、これは主に戎橋通の昼夜銀行の前で夜更けて女給の帰りを当てこむのだ。仕入先きは難波の元屋で、そこで屑値で買い集めた古本をはがして、連絡もなく乱雑に重ねて厚みをつけ、もっともらしい表紙をつけ、縁を切り揃えて、月遅れの新本が出来上る。