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せいじしゅみのかんよう

政治趣味の涵養

大隈 重信

「早稻田學報 第貳百參拾參號」早稻田大學校友會、1914(大正3)年7月10日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,466 字 · 11 页

青空文庫

〔思想の自由と政治の趣味〕

それでは誰が政治をやるか。かかる結果として、国民の批評がなくなってしまうから、到頭政治家というものは堕落して来て、政治屋となってしまうのである。政治が商売になる。そういう国は盛んになるか衰えるかというと、多く語らずして明らかである。決してそういう国は盛んにならない。一つ間違えば段々衰えて来るばかりである。どうしても現代の教育は国家の必要なる教育に欠けてはいないであろうか。我々は公正の批評が望ましい。学者もそれをやるが宜い。書生も宜しい。書生は政治を談ずるのはいけないとなっているが、これは法律命令の範囲でなるべくその妨げを除いてみたいと思う。

〔思想の自由と政治の趣味〕

ここに於て予は第一に自由ということを根本にする。自由といっても、乱暴なことを言うのが自由ではない。帝国議会に現れる如きは決して自由ではない。むしろ自由を害するものと言っても宜かろう。根本の自由は思想の自由である。この思想の自由を現すところの形式は言葉である。言葉は相当の礼儀を備えなければならぬ。いわゆる礼は道徳の体なりというはこれである。ところが神聖なる議場に於て如何なる言論を用いているか。