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こしゃいんのひとこといまなおせいしん
故社員の一言今尚精神
福沢 諭吉
「時事新報」1882(明治15)年3月27日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,661 字 · 4 页
明治四年亜米利加に遊学中不幸にして同六年彼地に物故。)この事を聞き、走て塾の広間に出て、顔色を変じ目を瞋らして同窓の諸友に告て曰く、諸君は今日の形勢を見て如何の観を為すや、東軍西軍相戦うならんと雖ども、畢竟日本国内の戦争にして唯是れ内乱なるぞ、我輩は文を事としてその戦争に関するなしと雖ども、内外の分は未だ之を忘れず、西軍或は暴ならん、東軍或は無法ならん、来て我輩に害を加えんとする者あらば、我亦男児なり、よく之を防がん、之を防て力足らざるときは唯一死あるのみ、堂々たる日本国人にして報国の大義を忘れ、外人の庇護の下に苟も免かれんより、寧ろ同国人の刃に死せんのみ、我輩が共にこの義塾を創立して共に苦学するその目的は何処に在るや、日本人にして外国の書を読み、一身の独立を謀てその趣旨を一国に及ぼし、以て我国権を皇張するの一点に在るのみ、然るを今にしてこの大義を顧みざるが如きは初より目的を誤るものと云うべし、我義塾の命脈を絶つものと云うべし、彼の印鑑の如きは速に之を火に投じて可なりとて、その語気凜々、決する所あるが如し。聞く者悚然として復た一言を発せず。之より社中の気風益固結して曾て動変することなく、爾後王政維新の太平に逢い又無数の事変をも目撃したれども、報国致死は我社中の精神にして、今日我輩が専ら国権の議論を主唱する