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きょういくだん

教育談

箕作 秋坪

「明六雜誌 第八號」明六社、1874(明治7)年5月31日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,939 字 · 4 页

青空文庫

いわんや文明ならざる国においてをや。たまたまこれあるも、自家の事業に逐れ、職務のために妨げらる。ゆえにその児の訓育を他人に托する、もとよりやむを得ざるに出づ。しかるに方今世間の情勢を察するに、父母たる者その児を他人に委托するをもって当然のこととなし、小児を教育するはその親たる者の本分たることを知らざるものに似たり。ゆえにその家にあるや、さらに父母のこれを訓育するなく、富家にありてはただ無知盲昧の婢僕に接し、驕奢傲慢の風に慣い、貧家にありては頑童黠児に交り、拙劣汚行を学び、終日なすところ、ことごとく有害無益のことのみ。あに頑愚無知とならざるを得んや。しかるにその親たる者、すでにその職を尽し、これを訓る能わずして、その児の成長するにしたがい不良不知なるに至りては、その罪かえって己にあるを知らず。みだりにこれを譴責し、甚しきは師友を恨むるの輩少からず、迷えるの甚しきにあらずや。

しかれども、これまた深く咎むべからざるものあり、何ぞや。けだし今の父母たる者、またその父母より教育を受けしことなし。ゆえにその児を教育する、何ものたるを知らざればなり。しからばすなわち、いかにして可ならん。