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きょういくだん

教育談

箕作 秋坪

「明六雜誌 第八號」明六社、1874(明治7)年5月31日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,939 字 · 4 页

青空文庫

人の幼穉なるとき、意を加えてこれを保護せざれば、必ず病み、必ず死す。また心を用いてこれを教育せざれば、長ずるに及て必ず頑、必ず愚にして、蛮夷の間といえども共に立べからざるに至る。これもっとも知り易きの理なり。しかしてそれ、これを保護するがごときは、天然の至情ありて、知愚貧富の別なく、みな意を加えざるなきも、それ、これを教育するの一事に至ては、これを度外に置き顧みざる者また少からず。実に怪むべく、嘆ずべきにあらずや。

それ小児の生れて二、三歳より六、七歳に至るまで、その質たる純然無雑、白玉の瑕なきがごとく、その脳中清潔にして、いささかの汚点なし。ゆえにその耳目の触るるところのもの、善となく悪となく、深く脳に印象して、終身消滅することなし。これもってその性情を薫陶し、品行を養成する、このときをもって最上の期とす。その教導の方、宜きを得れば善かつ知、その方を誤れば頑かつ愚となるなり。この感覚鋭敏のときにあたり染習せし者は、長ずるに及んでこれを改んと欲するも得べからざる、なお樹木の稚嫩なるとき、これを撓屈すれば、長ずるに及でついにこれを直くすべからざるがごとし。