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となんせんせい
斗南先生
「光と風と夢」1942(昭和17)年7月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,262 字 · 44 页
伯父は、人間の好悪が甚だしく、気に入らない者には新聞も読ませないのである。
次に三造が受取った伯父についての報知は、いよいよ胃癌で到底助かる見込の無いことを伯父自身に知らせたということ――それは、もうずっと以前から分っていたことだが、病人の請うままにそれを告げてよいか、どうかを医者が親戚たちに計った時、伯父の平生の気質から推して、本当のことをはっきり言ってしまった方がかえって落著いた綺麗な往生が遂げられるだろうと、一同が答えたのであるという。――そして、どうせ助からないなら病院よりは、というので、洗足の家へ引移ったということであった。なお、その親戚の一人からの手紙には、「助かる見込のない事を宣告された時の伯父は、実に従容としていて、顔色一つ変えなかった」と附加えてあった。英雄の最後でも画くようなそういう書きっぷりにはいささか辟易したが、とにかく三造はすぐに洗足の伯父の家へ行った。そうして、ずっと其処に寝泊りして最後まで附添うことにした。
病気が進むにつれ、人に対する好悪がますますひどくなり側に附添うことを許されるのは、三造の他四、五人しかいなかった。