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となんせんせい
斗南先生
「光と風と夢」1942(昭和17)年7月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,262 字 · 44 页
一
雲海蒼茫 佐渡ノ洲
郎ヲ思ウテ 一日三秋ノ愁
四十九里 風波悪シ
渡ラント欲スレド 妾ガ身自由ナラズ
ははあ、来いとゆたとて行かりょか佐渡へだな、と思った。題を見ると、戯翻竹枝とある。
それは彼の伯父の詩文集であった。伯父は一昨年(昭和五年)の夏死んだ。その遺稿が纏められて、この春、文求堂から上梓されたのである。清末の碩儒で、今は満洲国にいる羅振玉氏がその序文を書いている。その序にいう。
「予往歳滬江(上海のこと)ニ寓居ス。先後十年間、東邦ノ賢豪長者、道ニ滬上ニ出ヅルモノ、縞紵ノ歓ヲ聯ネザルハナシ。一日昧爽、櫛沐ニ方リ、打門ノ声甚ダ急ナルヲ聞キ、楼欄ニ憑ツテ之ヲ観ルニ、客アリ。清鶴ノ如シ。戸ニ当リテ立ツ。スミヤカニ倒シテ之ヲ迎フ。既ニシテ門ニ入リ名刺ヲ出ダス。日本男子中島端ト書ス。懐中ノ楮墨ヲ探リテ予ト筆談ス。東亜ノ情勢ヲ指陳シテ、傾刻十余紙ヲ尽ス。予洒然トシテ之ヲ敬ス。行クニノゾンデ、継イデ見ンコトヲ約シ、ソノ館舎ヲ詢ヘバ、豊陽館ナリトイフ。翌日往イテ之ヲ訪ヘバ、則チ已ニ行ケリ矣。…………」
これはまた恐ろしく時代離れのした世界である。が、「日本男子云々」