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だんそうがん

断層顔

海野 十三

「探偵よみもの」1947(昭和22)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,033 字 · 33 页

青空文庫

しかし木田氏が生命を失わなかったことは祝福すべきだ。その木田氏は身体が恢復すると碇曳治に恨みをかえさないではいられなかった。これは誰にでも了解できることだろう。彼は醜い顔ゆえに、極力人目をさけながらも、碇の行方を探し、そして遂に探しあてて彼の身辺を狙うようになったんだ。それをシズカ夫人が誤解して、夫人自身が怪人につけ狙われていると感じたんだ。――そのあとは、君の知っているとおりだ。うん、それからもう一つ、シズカ夫人のことだが、あの夫人は昔、碇と木田の両方から想われていたんだそうな、そして始めは木田の方が好きだった。ところが木田は行方不明になる。それから碇の方は探険から帰って来て英雄だとはやされる。その碇がシズカ夫人につきまとう。そんなだんどりで二人は同棲することになってしまったという。このことについて、私はおせっかいながら一つの結末を考慮中だ」

老探偵が何を考慮中だったのか、それは後になって、谷間シズカが端麗な若者と結婚したのによって知れる。

その若者は、旧知の人々からは「永らく行方不明を伝えられた木田健一が、ひょっくり戻って来て、昔の恋中の谷間シズカと結婚した」