轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
03 第三分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,353 字 · 371 页
園阿は元より気ままな身であった。――随所楽――という姿で、そこでも里の人々からすぐ慕われていた。
光秀のほうがそれより前から長く逗留しているのに、旅舎の者でも、湯小屋の往き帰りに会う人々でも、彼には、黙ってお辞儀するだけだった。尊敬はするが、慕うまでにはならない。裸と裸の人間同士で暮すこうした山の温泉にいると、親しまれないのも、一つの淋しさであった。
そのうちに、旅人の口から、京都の大変がここへも伝わって来た。
「三好、松永の徒党が、室町御所を襲って、将軍義輝公を殺した――」
と、いう風聞である。
「将軍家が殺されたら、天下はまた乱れだすのじゃないか。一体、どんなことになって行くのか」
と、山の中でも、人々は恟々と、都の噂に囚われていた。
それを、光秀は、湯小屋で聞いていたが、宿へ帰るや否、園阿に向って、
「大丈夫たる者が、こんな山中に閑日を偸んでいる時勢ではありませんでした。御僧はどうぞ、ごゆるりと湯治してお戻り下さい。それがしは、急に思い立つこともありますゆえ、一足先に立ちますから」
と、旅装もあわただしく、越前一乗谷の城下へ帰ってしまった。
園阿は、その後で、