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しんのあいこくしん
新渡戸稲造論集
新渡戸 稲造
新渡戸稲造『新渡戸稲造論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:真の愛国心、武士道の山、平民道、我が教育の欠陥、教育の目的、今世風の教育、人格の養成、人格を認知せざる国民、国際聯盟とは如何なものか、女子教育に就て、東西相触れて、イエスキリストの友誼、デモクラシーの要素、教育家の教育、自由の真髄、民族優勢説の危険、ソクラテス、「死」の問題に対して、教育の最大目的。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,620 字 · 196 页
デモクラシーの要素
片言ながらも外国に後れなかった思想
片言ながらも外国に後れなかった思想
明治の初年頃には随分思いきった政治論も社会改良論も行われた。さすがに知識を世界に求むるという御旨意の発表された際であっただけに、外国の思想を危険なりなどという者なく、上下共にこれを歓迎し、旧来の陋習を打破するに更に躊躇しなかった、その頃盛に行われた標語は自由民権であった。殊に自由なる言葉は当時の人々には耳新しく聞えた、従来日本の通用語ではあったが、政治的意味を加味したのは恐らく明治になってからであろう。少くとも明治になって輸入された英語の「リバーチー」あるいは「フリードム」なる言葉が自由と訳され、政治上新しい思想といえば必らずこの文字を用いねばならないように思われた。日頃僕は日本の政治的思想が英国に比して少くとも六十年後れているというているが、明治十年前に行われた自由論だけは片言ながら大して時世後れでなかったようである。丁度その頃英国ではミル氏の自由論が盛に批評されていたようである。勿論その前にもかの国では民権自由が盛に唱えられたのみならず実際の政治問題となり、またただに論題となれるのみならず事実上政治運動となったことは歴史を見ても明であるが、さてこの自由なるものに就て学術的に冷静にその根柢を論じたのは恐らくミル氏に優る者はあるまい。