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しんのあいこくしん
新渡戸稲造論集
新渡戸 稲造
新渡戸稲造『新渡戸稲造論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:真の愛国心、武士道の山、平民道、我が教育の欠陥、教育の目的、今世風の教育、人格の養成、人格を認知せざる国民、国際聯盟とは如何なものか、女子教育に就て、東西相触れて、イエスキリストの友誼、デモクラシーの要素、教育家の教育、自由の真髄、民族優勢説の危険、ソクラテス、「死」の問題に対して、教育の最大目的。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,620 字 · 196 页
故にかかる教育法は、即ち先生を敵と思えと教うるに等しいものである。
それから第三の教育法を説明する例話は、ゲーテの著わしたる『ファウスト』である。この戯曲の中に、ファウストなる大学者が老年に及び、人生の趣味を悉く味ったところで、一つ己れの理想とする人間を造ってみたいと思い、終に「ホムンキルス」という一個の小さい人間を造った話がある。その人間は徳利の中に這入っているので、その徳利の中からこれを取出してみると、種々の事を演説したり、議論したりする。しかしてファウストは自分で深く味い来って、人間に最も必要なるものと認めたる温き情愛をも、その「ホムンキルス」の胸の中に吹込んだのである。そこでその「ホムンキルス」は能く人情を解し、あっぱれ人間の亀鑑とすべき言行をするので、これを見る人ごとに讃歎して措かず、またこれを造ったるファウストも、自分よりも遥かに高尚な人間が出来たことを非常に感じ、かつ悦んだということである。これは出藍の誉ある者が出来たので、即ち教育家その人よりも立派な者が作られたことの寓説である。
今日我国に於て、育英の任に当る教育家は、果して如何なる人間を造らんとしているか。