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しんていきららざか
新訂雲母阪
直木 三十五
「文藝春秋」文藝春秋、1926(大正15)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,792 字 · 12 页
時に麓からお新が、甚七の後を追うて――その背後より馬上の佐々木
「お新で無いか? 甚七がこの道を行ったと云うがそうか。」
「はい、敵の山田を白状させると今朝程――」
「あの金入はもっておるか――よし、身共の馬に乗れ――何に、気づかいは無い。」
一鞭、急阪を馳登る一方
「山田、逃れぬぞ。」
と、詰よると共に、合図の手、こゝに乱闘始まって、とゞ山田は斬られると共に、お俊が手を負う。何れ逃れぬ命と、甚七がお俊を斬って己も咽喉を――。
そこへ蹄音高く、お新を抱いて馳せつける佐々木
「お新――」
と、微かに来馬甚七の断末魔、左手にお俊の亡骸を、右に泣きくずれるお新の手をとって、今に残る雲母阪の心中物語。