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ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
「中央公論」1917(大正6)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,445 字 · 152 页
重く考えている浩にも、彼女の顔色や髪の艶などは、以前よりも健康らしくなったことは否めない事実である。こうなってからまで病院の世話になっているのは、金持のすることだという皆の思いが、やがてお咲自身にも退院を思い立たせた。医者も止めはしなかった。これから先の治療は、彼等が工面し、掻き集めて出す費用に匹敵するほど、現われた効果がないので、ちょうど孝之進の目が、どうせは盲目になると定まってからは、無理でない程度の読み書きを許された通りの心持なり事の成り行きなりが、お咲の上にも繰返されたのである。退院したとはいっても、一月に一週間ずつ入院して注射を受けなければならない条件つきであった。それ故、その毎月に一回ずつの入院費の支出に就ても、彼等はまた工夫しなければならない。自分のためにせずとも好い借金をさせたり、相談をさせたりすることに、すっかり気がひけて、家中の者に気がねしているお咲を見るのが浩には辛かった。この金目のかかる病人一人を抱えて、家の者は一人として、そのような言葉を口にこそ出さなかったけれども、互の顔が合うたびに、目と目が言葉にしないこういう心持をつぶやき合った。