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にっき
日記
宮本 百合子
02 一九一四年(大正三年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 17,620 字 · 36 页
一月二十六日
一月二十七日
こすき先生ははっきり言葉のわからない言葉で見ては意志の明かでない人の様に思われた。
一種の暗いかげのある音楽家として久野先生は目立つ方である。
一月二十六日(月曜)晴 暖
〔摘要〕国語試験、母上会出席、衿をぬい始む
夜の日に影なき道をたどり行けば人を呼びたき心地こそすれ
美くしきまどはしよ汝我心のいまいる奥にひそみ居るらん
まどはしは仮面つけて我心の精をくみて育ち行くなり
ゆたかげに波うつ海の青さのみ恋しき心山にすみ居て
くゆらしし香の煙に我心のかこまれて行く紫のくに
夜の姫は衣のひだに白き足秘めし音なく我うでに来る
疑よ! なつかしく汝思へどもあまりしかしき我はかなしや
はれてさへ尚灰色の影をもつ冬の空のみ只かなしかり
一月二十七日(火曜)晴 暖
〔摘要〕学校出席
私の心はいつでもはればれと澄んで希望に満ちて居る。
けれ共私はしなければならない事が沢山になって居る。
そうしてそれをはきはきして居なければ居る事は出来ない。
この頃は学校が面白い。
それが何よりもうれしく思われる。
甘ったるいかるいくすぐる様な悲しみが悪ずらの様に心の中にわき上って来る。うす暗の夕方そうっと誰かの名をよんで見たい様な気もする事もある。