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にっき
日記
宮本 百合子
02 一九一四年(大正三年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 17,620 字 · 36 页
五月三日
五月四日
五月五日
五月六日
五月七日
五月八日
五月三日(日曜)晴
夜熱が八度出たので細井氏へ行く。
喉が悪いのだと云う。家へ帰って寝て居た。
下らない事で有りながら大変気にして涙なんか出た。
「時節柄」と云う事が私の心をなやます原因になって居る。
下らない一言でも聞く人の心が動いて居るとやたらに感じるものだ。
或る時は百の言葉が何の意味もなさない事がある。しかし時によると一言で人間を殺す事が出来るものだ。
五月四日(月曜)
〔摘要〕欠席
「千世子」はどうしても書きそびれてしまった。
思う様に出来ない。
だからまるで思い切って別なものにしようと思う。
五月五日(火曜)
〔摘要〕欠席
今日大変黒い蝶の舞うのを見た。
青い空の下を黒蝶が舞うのは貴族の令夫人の様な姿だ。
紋白蝶なんかは黒蝶よりもあさっぽい気がする。
それは色が黒の方はすべての色をふくんだ重みのある色だからだ。
だから黒色に被われる夜は世の中のあらゆるものが黒の中で育つのだ。
五月六日(水曜)
〔摘要〕欠席
五月七日(木曜)
〔摘要〕欠席
五月八日(金曜)
〔摘要〕欠席
坂本さんから返事をよこした。桃色の私の大きらいなきざな形をしたのを呉れた。趣味の高下が表れていやだ。