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あすのちせい

明日の知性

宮本 百合子

「女性改造」1947(昭和22)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,225 字 · 13 页

青空文庫

三男ミハエルはヴァイオリニスト。末娘のエリザベート・マンがピアニストで、イタリーの反ファシスト評論家ボルゲーゼと結婚しているそうである。

内山氏の紹介によると、エリカ・マンは一九〇五年生れで、日本流にかぞえれば四十四歳になっている。幼年時代を、たのしく愛と芸術的な空気にみちたトーマス・マンの家庭に育って、十八歳で学校を卒業すると、ベルリンへ出て、マックス・ラインハルトの弟子になった。ラインハルトといえばドイツの近代劇と演出の泰斗である。(ナチスきっての芝居気の多かった男ゲーリングも、ひところ門下に加っていた。ナチスの大がかりな舞台効果は、はからずもゲーリングのこの経歴が役立ったといわれている。)

ラインハルトの下で女優となったエリカ・マンは、やがてハンブルグでおなじ俳優であるグリュントゲンスと結婚した。グリュントゲンスは才能はあったが、あとではナチスに加って、ベルリン国立劇場支配人と立身したような性格であったため、エリカの結婚生活はながくつづかず、離婚して故郷のミュンヘンにかえった。そして、国立劇場や小劇場に出演した。ショウの「セント・ジョン」でジャンヌ・ダークを演じたりして好評をえている。