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あすをつくるちから

明日をつくる力

宮本 百合子

「新女苑」1947(昭和22)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,381 字 · 19 页

青空文庫

けれどもポツダム宣言を受諾した二年目の私たちの生活での実際で、こういう制度の上の平等がどこまで実現されているかということはなかなかの問題だと思う。改正憲法のお祭りは五月三日に日比谷で大仕掛に行われた。けれども、あの日台所で燻い竈の前にかがみ、インフレーションの苦しい家事をやりくって、石鹸のない洗濯物をしていた主婦のためには、新憲法のその精神がはっきり具体化されたような変化はなかった。今日は男も女も、それが地みちの生活をしている人であるならば、字づらだけでの男女平等や解放だけで民主主義というものはあり得ないということを痛切に感じて来ている。あらゆる日本の婦人が今日ほどの時間を台所にしばりつけられていて、どうして封建性からの脱却があるだろう。

こういう現実に反抗して、字づらで示されている平等と民主化のぎりぎりのところまで自分たちの若い生活を拡げようとしている若い男女もあると思う。戦争中は人間らしいたのしささえ奪われて育った人たちは自由になったということ、民法で親の権利が削減されたということ、男も女も平等だわ、という考えを最も手近いところで表現しようとしているところがある。