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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
12 その十一 稲妻は見たり
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,240 字 · 52 页
新十郎は、
「それは恐縮でした。私はこの現場は始めてだが、間取りや庭など一見させていただきましょうか」
そこで案内されて邸内を見て廻り、庭へでて裏庭の井戸へくると、警部補が、
「もうその井戸はふさいでしまって、ほら、もうこの辺はだだの土一面ですが、そこの下に井戸があったのです。イヤ。今もあるんですな。旅行から主人が戻ると、ケチのついた井戸は不吉だと、すぐさま職人をよんで井戸にフタをして土をかけて跡形も分らぬようにしてしまったそうですよ」
「そうでしたか。たしかにケチのついた裏庭の古井戸などは埋めたくなるのが当然ですよ」
新十郎はアッサリうなずいたが、急にビックリしたように、
「エ? エ? 待てよ。そうか。そうか。それが、あったか」
彼はブツブツ呟いた。複雑な表情だ。
「取り調べの前に、そうだ。一ツ、やってみよう。これも御愛嬌だからな」
新十郎は古田巡査に何かささやいた。何事が起るのか分らないが、一同がポカンとして待っていると、古田巡査がつれてきたのは職人で、井戸をふさいだ土をのけて、ふさいだ物をとりのぞいた。少し井戸の中がのぞけてくると、なんとなく異臭がプンプンする。