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ほしのせかいから

星の世界から

小川 未明

「少年倶楽部」1917(大正6)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,228 字 · 7 页

青空文庫

三

「いやだ。これを貸すと、君はすぐに、壊してしまうもの。」

といいました。

「大事にして持っているから、ちっとばかり貸してくれない?」

と、良吉は目に涙をたたえて頼みました。

「僕は、人に貸すのはいやだ。」

といって、力蔵は貸してくれませんでした。

三

良吉はしかたがないから、林の中に入って竹を切ってきて、自分でそれに小さな穴をあけて笛を造って吹いていました。すると、四方から小鳥がそれを聞きつけ集まってきて、近間の木の枝に止まってその笛を自分らの友だちだと思っていっしょになってさえずっていました。この有り様を見ると力蔵はすぐに良吉の持っている笛が欲しくなりました。

「君にオルゴールを貸してあげるから、その笛を僕にくれないか。」

と、今度力蔵は良吉に向かって頼みました。良吉は快く承諾して、その笛を力蔵に与えました。そして、自分ははじめてオルゴールを手に持つことができて大事そうにして、この不思議な音色のする機械をながめていました。すると力蔵はすこしばかりたつと彼のそばにやってきて、

「僕はもう家へ帰るんだから、オルゴールを返しておくれ。」

といって、良吉からそれを取り返して持ってゆきました。