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せいざ
星座
有島 武郎
1922(大正11)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,460 字 · 235 页
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ガンベが「園にそうたびたびねだるのだけはやめろ、よ。あんなお坊ちゃんをいじめるのは貴様可哀そうじゃねえか。貴様ああんまりけちだぞそれじゃ。俺なんざあこれで一度だって園にせびったことはないんだ。それに、まさかという時の用意に一人くらいとっときを作っておかないとうそだぞ貴様、はははは」といって笑ったことがあった。人見は隣りの園の部屋に行こうかと思って座を立ちかけた瞬間にこれを思いだした。しかし今の場合、園の所に行って話を持ちかけるほかに道がないのだ。
人見は痩せてひょろ長い体を机の前に立ちあがらせると、気持の悪い生欠伸をした。彼は自体、園にこんなことをたびたび頼むのは、自分の見識からいっても、いかがなものだとは知っていたんだが、まず何んといっても一番無事に話のつきそうなのは、園のほかにはないのだからしかたがない。取りあってくれない奴だの、ばかにして話に乗らない奴だの、自分の金の不足になったことだけを知っていて、油を搾ろうとする奴だのにかかってはまったく面倒だ……それとももう一度婆やを泣かせようかとも思ったが、はした金にありつくのに、婆やの長たらしい泣き言を辛抱して聞いているのはやりきれない。