轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

せいざ

星座

有島 武郎

1922(大正11)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,460 字 · 235 页

青空文庫

それまで彼を困らしていた未練は影を隠していた。

顔は十七八にしか見えないほど若く、それほど規則正しい若さの整いを持っているが、二十二になったばかりだと思えないくらい落ちつきの備わった園の小さな姿が、清逸の寝床近くきちんと坐ったらしかった。

清逸は園が側近く来たのを知ると、なぜともなく心の中が暖まるのを覚えて、今までの物臭さに似ず、急いで窓から戸口の方に寝返った。が、それまで眩ゆい日の光に慣れていた眼は、そこに瞳を痛くする暗闇を見出だすばかりだった。その暗闇のある一点に、見つづけていた蝿が小さく金剛石のように光っていた。

「学校は休んだの」

眼をつぶりながら、それと思わしい方に顔を向けて清逸はいってみた。

「一時間目は吉田さんだから……僕に用というのは何?」

低いけれど澄んだ声、それは園のものだ。

「そうか。吉田のペンタゴンか。カルキュラスもあんないい加減ですまされては困るな。高等数学はしっかり解っておく必要があるんだが……」

清逸は当面の用事をそっちのけにしてこんなことをいった。そんなことを言いながら、吉田教授をぺンタゴンという異名で呼んだのが園に対して気がひけた。