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せいざ

星座

有島 武郎

1922(大正11)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,460 字 · 235 页

青空文庫

は思えた。清逸はまたかかることに注意する自分を腑甲斐なく思った。そして思わずいらいらした。

「僕はたぶん明日親父に会いに千歳まで帰ってくる。都合ではむこうの滞在が少し長びくかもしれない。できるなら僕は秋のうちに……冬にならないうちに東京に出たいと思っているんだがね。そんなことは貧乏な親父に相談してみたところで埒は明くまいけれども、順序だから話だけはしてみるつもりなのだ。……でその手紙をおぬいさんにとどけてくれないか。僕は熱があるようだから行かれないと思うから……おぬいさんが聞いたら千歳の番地を知らせてやってくれたまえ、……聞かなかったらこっちからいうには及ばないぜ……それからね、手紙にも書いておいたが、僕の留守の間、おぬいさんの英語を君に見てもらうわけにはいかないかね」

いらいらしさにまかせて、清逸はこれだけのことを畳みかけるようにいって退けた。すべてを清逸は今まで園にさえ打ち明けないでいたのだった。清逸にとってはこれだけの言葉の中に自分を苦しめたり鞭ったりする多くのものが潜んでいるのだ。

清逸は何んということなく園から眼を放して仰向けに天井を見た。