轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はるいくたび

春いくたび

山本 周五郎

山本周五郎『春いくたび』。同一底本的分册已合并为一书。收入:春いくたび、だんまり伝九、伝四郎兄妹、峠の手毬唄、初午試合討ち、梟谷物語、武道宵節句。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 70,094 字 · 142 页

青空文庫

梟谷物語

一

慶応四年二月(この年九月に明治となる)、勅命を捧じて奥羽征伐の軍を仙台に進めた九条道孝卿は、四月のはじめまず庄内藩酒井忠寛を討つため、副総督沢為量に命じて軍勢を進発させた。……この物語はその進軍の途上に起った出来ごとである。

一

仙台を出発した鎮撫軍が、山形から天童まで進んだとき、沢副総督は第三番隊の中村半九郎という若い隊長を呼んで命令を与えた。

「中村、おまえは第三隊二百名をひきいて本隊とわかれ、月山から羽黒山を越えて酒井軍のうしろへふいうちをかけてくれ」

――これはおもいつとめだぞ。

半九郎はそう思って口をひきむすんだ。

「道はいうまでもなくけわしい、けれどそれよりも困難なことがある。それは羽黒山の奥に住んでいる土生一族だ」

「知っております」

「この一族の守っている梟谷をつきやぶらなければ庄内へ攻め入ることはできない。きっと非常に苦しい戦をするであろうが、ぜひともうまく行くようにしっかりやってもらいたい」

「かしこまりました」

「すぐ出発してくれ、後援隊はあとから三百名おくる」

半九郎は全員必死の覚悟をきめた。

中村第三隊はそこからすぐに本隊とわかれ、寒河江の谷をさかのぼって左沢から月山の東がわをつきすすんで行った。