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はるさきのあさのこと
春さきの朝のこと
小川 未明
「小学五年生」1949(昭和24)年4月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,951 字 · 6 页
しかたがない、これから、いなかへ帰るよ。」
「おじさんのいなかは、どこなの。」
「ずっと北の寒い国だ。まだ、雪があって、花どころではないだろう。それからみれば、きみたちは、あたたかなところに生まれてしあわせなものさ。学校から帰るとどんなことをして遊ぶの。」と、おじさんが聞きました。
「ぼくたち、こまをまわしたり、ボールを投げて遊ぶよ。」と、私は、答えました。
「そうかい。どこの子どももおんなじだね。ぼくなども、夕焼けのした、春の晩がた、お寺の鐘のなるころまで、よく、かくれんぼうをして遊んだものだ。そして、おそく帰って、しかられた。あんなおもしろかったことは、もう大きくなってからない。きみも、よく勉強をして、よく、お遊び。」
私は、いいおじさんだなあと、思いました。おじさんは、思いだしたように、
「さくらの花ざかりもきれいだが、すももの花ざかりも、きれいなものだよ。」と、その景色を目にうかべるように、しみじみとしたちょうしで、いいました。
私は、まだよくすももの花を知らないので、想像がつきませんでしたが、
「白い花。」と、聞きました。
「まっ白で雪のような花さ。