轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
久保田万太郎『春泥・三の酉』。同一底本的分册已合并为一书。收入:春泥、三の酉。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,075 字 · 173 页
――区劃整理のことで田町の地主のところまでまいったかえり、ふいと思いついて吉原の……御存じでしょう、お直婆さん?」
「えゝ、知っておりますとも。――師匠の連中に始終来て下さいます。」
「あゝそうでした。あの婆さんはむかしから由良さん贔負でした。」
「そうなんで。」
「久しく逢いませんし、どうしているかと思って声をかけに一寸門までよりました。――と、ちょうど、二三日風邪をひいたといって寝ておりましたが、まァ上れ、まァ一服のんで行けというのでこれが一時間ばかり。――体はわるくってもいうことは元気で、仲の町の茶屋の戸袋へれい/\しく売家の札を貼ったといって腹を立てたり、歌舞伎座から乗った自動車の運転手が山谷といったら代々木かといったといって口惜しがったり、相手ほしやでいるところだからたまりません、それからそれ一人でそんなことを饒舌って此方に口をきかせません。――やっとのことで逃げてまいったんですが、あのお婆さんなんぞも、これ、人力や芝居茶屋と一しょに消えてなくなる玉かも知れません。」
「吉原には、しかし、あゝいう方をいつまでも……」
「と被仰るのはあなたが江戸っ子でおいでだから。