轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しゅんもう
春盲
豊島 与志雄
「人間」1951(昭和26)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,296 字 · 17 页
」
「あら、わたし、あなたより眼ざとい方じゃありませんか。」
「それでは、鈍感だからでしょう。」
彼女はじっと山田を眺めて、真剣な眼付きになった。
「あなた、この頃、どうかなすったんじゃありませんの。なんだか、神経衰弱の気味みたいで、心配だわ。」
「神経衰弱か……。」
山田はゆっくり繰り返して大きく欠伸をした。眼に涙が滲んだ。
「ね、はっきり言って下さらない。わたしと一緒にいると、退屈なさるんでしょう。」
「どうしてですか。」
「それをお聞きしてるんじゃありませんか。きっと、わたしはあなたにとって、退屈な女なんでしょう。」
「いや、ちっとも退屈しませんよ。第一……いつもいつも、ちょっと来いだから。」
美津子は眼尻で笑った。
「そのくせ、わたしがお呼びしなければ、御自分からいらっしゃるのは、どういうことですの。」
「自分で退屈してるから、来てみるんでしょう。」
「退屈なすってるから……。では、愛情ではないのね。」
「いや、愛情に退屈してるのかも知れません。」
「そんなら、どうすればいいの、わたしたち。」
「このままでいいんです。ただ、も少し勉強しましょう。」
それを考えると、山田は憂欝になった。