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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
「東北小国民」1948(昭和23)年5月~10月、「AOBA」(「東北小国民」改題)1948(昭和23)年11月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,481 字 · 74 页
「いや、そうしないで、あまり屋敷の中で、ながいことをやると、北岸のおじさんみたいに、おとし穴かなんかに落ちてしまうんだ」
「おとし穴だって、音ちゃんは、おじさんたちが、おとし穴へおちたと思っているのかい」
六条が、たずねた。
「そうかもしれないと、ぼくは思っているんだがね、とにかく、屋敷の中へはいってから出るまでに、あやしいことを見たり、あやしい音を聞いたら、よくおぼえておいて、外へ出てからあとで、よく話しあって、研究をしようや」
「そういう用心ぶかいやり方は、たいへんいいと思うね」
六条が、さんせいした。
五人の少年は、屋敷の中で、もし危険な目にあったら笛をふくことにきめ、それぞれ音色のちがった笛をポケットにもっていた。これはかねて、うしろの山登りをするときに少年たちが利用している呼び子の笛であって、どの音色が誰の笛か、それはよく知っていた。
六条は、自分がこしらえた短波の無電器械をさげていた、それはべんとう箱を四つあつめたぐらいの大きさで、大して重くなかった。
いよいよ鎮守さまの境内を出て、五人の少年がかたまって時計屋敷の塀のそとへついたのは午後二時五十分であった。