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とけいやしきのひみつ

時計屋敷の秘密

海野 十三

「東北小国民」1948(昭和23)年5月~10月、「AOBA」(「東北小国民」改題)1948(昭和23)年11月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,481 字 · 74 页

青空文庫

この会議は、なお二日ばかりつづいたが、結局は北岸や吉見の説が採用され、それにもとづいて時計屋敷の大掃除が行われることにきまった。

「聞いたかよ、おそろしいこんだ。時計屋敷を掃除して、あそこに人が住むんだとよ」

「これは困ったことだ。今にみんな、おそろしいたたりに泣き面をして暮らすようになるだべ」

「子供たちによくいいきかしとけよ、子供は、こわいもの知らずだから、新興班について、幽霊屋敷の中へはいるかも知れんからな」

「そうじゃ、うちの音松なんか、よろこんで時計屋敷の探険に行くちゅうだろう。はて、これは又気がかりなことがふえたわい」

そのようなわけで、旧家の人たちは、自分たちの子供に、時計屋敷へ近よってはならぬぞと、子供の顔を見ればいましめるのだった。

さて時計屋敷の大掃除をするに先立って、その下検分のために、七人の有力者が、屋敷へはいってみることになった。これがいわゆる新興班の連中で、北岸が班長、吉見がその副班長だった。

それはよく晴れた初夏の朝だったが、この七人は塀に縄ばしごをかけて、時計屋敷へ乗りこんだ。人々がよく働いているのが、お昼頃、村道からながめられた。